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石内都 1・9・4・7

石内都 1・9・4・7

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石内都(1947–)の写真集『1・9・4・7』は、1988年1月から1989年1月にかけて制作された作品を収めた一冊。石内と同じ年に生まれた女性たちの手や足をクローズアップで撮影し、各写真には被写体の職業がキャプションとして添えられている。暗い背景に浮かび上がる指先や爪、皺、皮膚の質感など、身体の細部が鋭く写し取られ、その人が歩んできた時間や人生を想像させる。被写体の中には、石内と親交があった写真家・荒木経惟の妻、荒木陽子も含まれており、巻頭には彼女に捧げる「to YOKO」という献辞が記されている。また、荒木陽子は本書刊行の年である1990年に亡くなっている。

石内自身は「からだは時間と空気の器」と語り、身体の末端である手や足を撮ることを「剥け落ちる肌の断片を拾い集める」行為になぞらえている。ファッション写真のように商品化された「美しさ」を求める眼差しとは異なり、本作は身体に刻まれた時間の痕跡を見つめ、その表情を写真として定着させたシリーズである。

被写体となった同世代の女性たちの手足と向き合いながら、石内自身もまた同じ時間を生きてきたことを確かめるような視点を宿すこの作品は、彼女の活動史の中で重要な位置を占めている。


[タイトル] 1・9・4・7
[出版元] IPC
[出版年月日] 1990年12月25日
[ページ数] 126頁
[大きさ] 約27.1×29.3×1.2cm、0.97kg
[フォーマット] ソフトカバー
[タイトルよみ] 1・9・4・7
[著者・編者等] 石内都/著、伊藤比呂美/文、山岸亨子/文・構成、木村恒久/装丁、奥田邦年/レイアウト
[印刷] サンニチ印刷
[ISBN] 4-87198-831-7 C0072
[状態] 中古 4】並~並下(三方・見返しから数頁にシミ、天地に少キズ)
[付属品] なし
[掲載本] 
[関連展覧会] 


石内都(いしうち・みやこ)1947-

1947年、群馬県桐生市生まれ。
1970年代後半から写真活動を開始した。初期には東京・横須賀を舞台に、戦後の影を抱えながら生きる人々や都市の風景を切り取ったシリーズで注目を集め、1979年には写真集『絶唱、横須賀ストーリー』を刊行。
1980年代には女性の身体や生活痕をテーマにした『Apartment』『Endless Night』などを発表し、個人の記憶や時代の痕跡を写真に刻む独自の表現を確立した。
1990年代以降は、母親の遺品や女性の身体に刻まれた歴史を見つめる作品へと深化し、特に『ひろしま』シリーズでは原爆被爆者の衣服を撮影し、世界的な評価を得た。
2005年にヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表、2014年にはハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、国内外で高く評価され続けている。
現在も「記憶と身体」を軸に、写真を通して個と社会の関わりを問いかける活動を展開している。
群馬県桐生市在住。

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