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畠山直哉 BLAST

畠山直哉 BLAST

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畠山直哉『BLAST』

文明の利器「ダイナマイト」によって、山は崩れ、都市の礎となる石へと姿を変える。
日本各地の採石場で、畠山直哉はその爆発の瞬間を追い続けた。

はじめは大判カメラ〈4×5〉で撮影していたが、一度の発破で一枚しか撮れない。
より爆発のリズムに応じるため、モータードライブ付きの小型一眼レフへと切り替えた。
また、遠い場所から望遠レンズで撮影を試みたものの、
画角から「遠さ」が見て取れ、写真として大切なものが減じているように感じたことから、
最終的に標準レンズでの撮影を選んでいる。

発破を待つ間、鉱山事務所の壁には
「自然を怖れず、されど侮らず、心には常に、神を念じつつ」
という言葉が掲げられていた。
その後、『BLAST』のプリント作業中に東日本大震災が発生し、
彼の故郷・陸前高田、そして撮影のきっかけとなった大船渡のセメント工場も被災する。

自然と技術のあいだに立つ人間の姿、
その小ささと、同時に持ちうる力。
本作は、畠山がこれまで意識的に排除してきた「物語性」がにじみ出る転換点であり、
のちの〈陸前高田〉のシリーズへとつながる重要な起点となった。

装丁は祖父江慎が手がけている。
畠山は、祖父江の知性や判断力、そして諧謔のセンスに接するたびに、
かつて師事した大辻清司を思い出すと語る。
「祖父江ほど大辻に似た人間はいない」と述べたように、
本書には恩師への静かな敬意も宿っている。

カバーは折りたたまれた構造で、広げるとB2サイズのポスターとなる。
さらに図版違いのカバーにもなる仕掛けが施され、
祖父江のデザインによって本書は写真集という形式を超えた、
ひとつの造形的体験へと昇華している。


[タイトル] BLAST
[出版元] 小学館
[出版年月日] 2013年9月7日(初版)
[ページ数] 80頁
[大きさ] 約21×29.9×1.2cm、0.68kg
[フォーマット] ハードカバー
[タイトルよみ] ブラスト
[著者・編者等] 畠山直哉/著、祖父江慎+柴田慧(cozfish)/デザイン、清水芳郎/編集
[印刷] 大日本印刷/印刷、若林製本工場/製本
[ISBN] 978-4-09-682064-3
[状態] 中古 【5】並(裏見返しに僅かにテープ跡)
[付属品] カバー
[掲載本] 
[関連展覧会] 


畠山 直哉(はたけやま・なおや)1958-

1958年、岩手県陸前高田市生まれ。

筑波大学で大辻清司に師事し、卒業後東京を拠点に、自然と都市、そして写真の関係性を探求する作品を発表し続けている。
特に、生まれ故郷の近くに広がる石灰石鉱山や、都市の地下水路、ダム、工場など、日本の風景に内在する人工的な光景を主題にした作品で知られています。

2001年にはヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表に選ばれ、2011年の東日本大震災で被災した故郷・陸前高田を撮影するなど、社会的なテーマにも向き合っています。

2015年に紫綬褒章を受章。
現在は東京藝術大学大学院の教授を務めるなど、写真家としてだけでなく、教育者としても後進の育成に尽力している。

1997年に写真集『LIME WORKS』などで第22回木村伊兵衛写真賞。
2001年には『Underground』で第42回毎日芸術賞を受賞。

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畠山直哉祖父江慎

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