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金瀬胖 / KANASE Yutaka

Zone 終の国 : Human dominion

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日本の写真家・金瀬胖による写真集『ZONE  終の国 : Human dominion』。

1989年から1998年にかけて、主に千葉を中心とした東京近郊の風景を撮影した作品群を収録。高度経済成長以降に造成された埋立地、工業地帯、文化住宅、郊外団地、道路、造成地など、人間の「計画」によって形作られた風景を通して、日本社会そのものの深層を鋭く写し出した代表作。

タイトルにある “ZONE” とは、人間が自らを囲い込み、管理し、断絶しながら生きる空間のことを指している。金瀬は本書のあとがきで、

「人間の所業が生み出す景色は人間の姿そのものである」

と記している。

そこに写るのは、豊かさや発展の名のもとに作られた風景でありながら、どこか空虚で、暴力的で、不穏な気配を帯びた場所ばかり。工業団地、埋立地、巨大施設、郊外住宅地──。高度成長と開発がもたらした“楽土”が、いつしか「終の国(ついのくに)」へ変質していく過程が、重苦しくも静かな視線で捉えられている。

しかし本作は単なる社会批評写真ではない。金瀬の写真には、荒廃した風景の奥に、なお人間の営みや祈りの痕跡が漂っている。光、霧、水面、人工物の質感が複雑に交差する画面には、不思議な美しさと終末感が同居している。

西谷修によるテキスト、富樫茂美による装幀も含め、1990年代日本写真の重要作のひとつとして高く評価され、2000年には第12回「写真の会賞」を受賞した。

バブル崩壊後の日本社会に漂っていた閉塞感、不安、そして“成長”という幻想の終焉を、極めて先鋭的に記録した一冊。

[タイトル] Zone : 終の国 : Human dominion
[出版元] 金瀬胖写真事務所、mole
[出版年月日] 1999年5月5日(初版)
[ページ数] 108頁
[大きさ] 約284×250×13mm / 838g
[フォーマット] ハードカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] ゾーン : ツイノクニ : ヒューマン ドミニオン
[著者・編者等] 金瀬胖/著、西谷修/文、富樫茂美/装幀、津田基/編集
[印刷] 東京写真印刷所
[ISBN] 4938628317
[状態] 中古【5】並(カバー:天少キズ、本体:三方薄ヤケ)
[付属品] なし
[掲載本] ‐
[関連展覧会] ‐

Yutaka KANASE(金瀬胖)1944-2024

1944年、千葉県生まれ。写真家、写真集編集者。

団体職員を経て1991年よりフリーとして活動。都市近郊の風景、公害、開発、原子力事故、労働、地域社会など、日本社会が抱える構造的問題を主題に撮影を続けた。

代表作『ZONE : 終の国 : Human dominion』では、東京近郊に広がる開発地帯や人工風景を通して、高度経済成長以後の日本社会に潜む暴力性や空虚さを描写。2000年、第12回「写真の会賞」を受賞した。

その後も東海村JCO臨界事故を題材とした『THE DAY AFTER』『EXPOSED 東海村感光録』などを発表。社会的ドキュメンタリーと個人的感覚を接続する独自の写真表現で知られる。

現代写真研究所講師、日本リアリズム写真集団代表理事も務め、多くの写真家育成にも関わった。

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