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宮本隆司 KOBE 1995 After the Earthquake

宮本隆司 KOBE 1995 After the Earthquake

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宮本隆司による写真集『KOBE 1995 After the Earthquake』は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災直後の神戸を記録した重要作である。
倒壊した建築物、裂けた道路、露わになった構造体──本書は、復興や物語化がなされる以前の、災害の痕跡をそのまま刻み込んだ都市の姿を、極めて冷静かつ徹底した視線で捉えている。

宮本は1995年、震災によって被災した建築物を集中的に撮影し、「KOBE 1995 After the Earthquake」シリーズを制作。この作品群は高く評価され、1996年の第6回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展・日本館展示に選出される。さらに同展において金獅子賞を受賞した。
世界的な美術・建築の檜舞台であるヴェネチア・ビエンナーレで、日本人写真家がこの賞を受賞することは異例であり、本作は宮本隆司の名を国際的に知らしめる決定的な契機となった。

廃墟や構造物を主題に、時間や歴史が建築に刻む痕跡を撮り続けてきた宮本にとって、震災後の神戸は偶発的な被写体ではなく、都市と人間、そして近代建築の脆弱性が極限まで露呈した現場であった。人の姿や感情的なドラマを排し、建築そのものの損傷を淡々と写し取ることで、災害を「出来事」ではなく「物質的現実」として提示している。

瓦礫の堆積や断面をさらした建築の構造は、破壊であると同時に、戦後日本の都市が内包してきた歪みや限界をも可視化する。そこにセンチメンタリズムはなく、沈黙のなかで立ち上がる圧倒的な物量と時間の重みだけが残されている。

『KOBE 1995 After the Earthquake』は、震災の記録であると同時に、都市・建築・写真表現の関係を根源から問い直す一冊であり、1990年代以降の日本写真、さらには建築表現史においても欠かすことのできない写真集である。

[タイトル] KOBE 1995 After the Earthquake
[出版元] 建築・都市ワークショップ Telescope / Workshop for Architecture and Urbanism
[出版年月日] 1995/12/1
[ページ数] 96頁
[大きさ] 約
[フォーマット] ハードカバー
[タイトルよみ] コウベ・ナインティーン・ナインティファイブ・アフター・ジ・アースクエイク
[著者・編者等] 宮本隆司/著、鈴木明/文
[印刷] 
[ISBN] 4-906544-80-0
[状態] 中古 【6】並上~並
[付属品] なし
[掲載本] The Photobook: A History Volume 2 / Martin Parr, Gerry Badger (p.276)
[関連展覧会] 


宮本隆司(みやもと・りゅうじ)

1947年、東京都世田谷区生まれ。
1973年、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。
建築雑誌の編集部員を経て写真家として独立。
解体される建築物や都市の変貌、崩壊と再生のプロセスを主題に、建築と写真の関係を問い続けてきた。

1986年、建築解体現場を撮影したシリーズ「建築の黙示録」を発表。1988年には香港の高層スラムを記録した『九龍城砦』を刊行し、1989年に第14回木村伊兵衛写真賞を受賞。
1995年、阪神淡路大震災直後の神戸を撮影した「KOBE 1995 After the Earthquake」は、1996年の第6回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展日本館展示に選出され、金獅子賞を受賞するなど国際的評価を確立した。

主な個展に、世田谷美術館(2004年)、Künstlerhaus Bethanien(ベルリン、1999年)、フランクフルト近代美術館(1999年)など。
2005年に第55回芸術選奨文部科学大臣賞、2012年に紫綬褒章を受章。
作品はサンフランシスコ近代美術館、東京国立近代美術館ほか、国内外の美術館に収蔵されている。

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