中里和人 湾岸原野
中里和人 湾岸原野
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1991年に刊行された中里和人のファースト写真集。
1980年代、バブル経済へと向かう日本において、東京湾沿岸部はかつてないスピードで姿を変えていった。幕張メッセ、みなとみらい21、浦安ベイエリア、東京湾横断道路など、大規模な開発構想が次々と進行し、未来型ニュータウンが現実のものとなる直前、湾岸には一時的な空白地帯が生まれていた。
中里が捉えたのは、その完成直前にだけ立ち現れた湾岸部の原風景である。造成途中の埋立地には、セイタカアワダチ草が生い茂り、ザリガニやトンボ、野鳥、野良犬が姿を見せ、同時に暴走族やミュージシャンといった人々も行き交っていた。そこは、都市の管理から一瞬だけこぼれ落ち、「自然」に返りかけた、つかの間の楽園であり、未開の地でもあった。
未来都市の完成とともに、こうした風景はすべて人工構造物の下へと埋もれていった。本書は、いまは失われた、自然と人工物がせめぎ合いながら共存していた湾岸の姿を記録した、貴重な初期作品集である。
[タイトル] 湾岸原野 中里和人写真集 The Man-made Wilderness of Tokyo Bay, 1983-1989
[出版元]六興出版
[出版年月日] 1991年11月10日(初版)
[ページ数] 95頁
[大きさ] 約215*255*12mm,
[フォーマット] ハードカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] ワンガンゲンヤ
[著者・編者等] 中里和人/著、日戸秀樹/デザイン
[印刷] 形成社印刷/印刷、大口製本印刷/製本
[ISBN] 4-8453-9036-1
[状態] 中古 【6】並上~並(カバー背ヤケ)
[付属品] なし
[掲載本]
[関連展覧会]
中里和人(なかざと・かつひと)1956-
1956年、三重県多気町生まれ。
1978年、法政大学文学部地理学科卒業。写真家。東京造形大学名誉教授。
日本各地の埋立地や臨海部、夜景、路地、小屋など、人為と自然がせめぎ合う「社会的景観(ソーシャル・ランドスケープ)」を主題に制作を続ける。1980年代の東京湾岸部を記録した1st写真集『湾岸原野』(1991年)をはじめ、都市の周縁や開発途中の土地に現れる一瞬の風景を、詩的かつ批評的な視点で捉えてきた。
主な写真集に『湾岸原野』(六興出版)、『小屋の肖像』(メディアファクトリー)、『キリコの街』(ワイズ出版)、『路地』(清流出版)、『R』(冬青社)、『ULTRA』(日本カメラ社)、『Night in Earth』『URASHIMA』(蒼穹舎)など。
国内外で個展・グループ展多数。2000年以降は写真インスタレーションやワークショップにも積極的に取り組み、ドイツ、ロシア、韓国など海外でも発表を行う。
受賞に第15回写真の会賞(2003年)、さがみはら写真新人奨励賞(2005年)。作品は相模原市美術館、足利市美術館、ロシア国立プーシキン美術館などに収蔵されている。
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