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西村多美子 / NISHIMURA Tamiko

旅人(サイン入り)

旅人(サイン入り)

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日本の写真家 西村多美子による写真集『旅人 / My Journey』。1960年代後半から1980年頃にかけて撮影された約1500点の中から選ばれたモノクロ作品60点で構成され、歩きながら出会った風景や人々を静かにすくい上げた一冊。

列車の車窓からの眺め、港に佇む漁船、街角の人物、身近な人々の気配。特別な出来事ではなく、日々の延長にある光景にカメラを向け続けるその姿勢は一貫している。西村にとって「旅」とは特定の場所に向かう行為ではなく、どこにいてもスナップを撮り続けることそのものを指している。

画面に写るのは、強く主張することのない静かなイメージの連なり。しかしその奥には、時間や記憶がゆっくりと滲み出るような感覚がある。出来事を切り取るというよりも、自身が過ごしてきた時間と空間が、かすかな気配として立ち上がってくる。未発表作も含まれ、初期からの視線をあらためて見渡すことができる構成となっている。

撮影から現像、プリントに至るまでの工程を長年変えることなく続けてきた作家の姿勢も、本書の背景にある。像が浮かび上がる時間に身を委ねながら、写真と向き合い続けてきた軌跡が静かに通底する。フランス装による装丁も印象的。


[タイトル] 旅人 My Journey
[出版元] 禅フォトギャラリー
[出版年月日] 2018年5月10日(初版)
[ページ数] 頁付きなし(120頁)
[大きさ] 約253*222*14mm / 620g
[フォーマット] ソフトカバー
[言語] 日本語・英語
[タイトルよみ] タビビト
[著者・編者等] 西村多美子/著、羅苓寧(Amanda Lo)/編集・アートディレクション
[印刷] 東京印書館/印刷・製本(高柳昇/プリンティングディレクター)
[ISBN] 9784905453666
[状態] 中古 扉頁にサイン【7】並上~並(背角僅かにアタリ)
[付属品] なし
[掲載本] ‐
[関連展覧会] ‐


西村多美子(にしむら・たみこ)1948-

1948年、東京都生まれ。写真家。
1969年に東京写真専門学院(現・東京ビジュアルアーツ)を卒業。在学中より唐十郎率いるアングラ劇団「状況劇場」に通い、舞台や人物を撮影。卒業後は森山大道多木浩二中平卓馬らと出会い、暗室作業を手伝うなどして影響を受ける。

1970年代より日本各地を旅しながら撮影を続け、1973年に初写真集『しきしま』を刊行。以降も旅を主題に制作を重ね、1990年代以降はヨーロッパ、中南米、東南アジアなど海外へと活動の場を広げた。アルバイトや雑誌の仕事で旅費を捻出しながら各地を巡り、生活と制作を不可分に結びつけた実践を続けている。

1968年頃から現在に至るまで一貫してフィルムで撮影し、自ら暗室でプリントを制作する姿勢を貫く。詩的かつスピリチュアル、そして深く個人的な視点から、風景や人々の気配をすくい上げる作品で知られる。自身の活動を「旅の連続」と語り、遊牧的な感覚で写真を撮り続けてきた。

主な写真集に『しきしま』(1973)、『熱い風』(2005)、『憧景』(2012)、『旅人(My Journey)』(2018)をはじめとする三部作、『追想』(2024)など。作品は香港M+、メトロポリタン美術館、ボルチモア美術館、ハーバート・F・ジョンソン美術館などに収蔵されている。

近年は、日本の女性写真家の再評価の流れの中で国際的な注目を集め、アルル国際写真祭やT3 Photo Festival Tokyoなど国内外の展覧会に参加。長年にわたる旅と制作の蓄積によって、日本写真史における重要な位置を占める作家として再評価が進んでいる。

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