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荒木経惟 / ARAKI Nobuyoshi

東京ノスタルジー

東京ノスタルジー

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『荒木経惟文学全集』全8巻完結を記念して刊行された、荒木経惟による写真集。

1980年代半ばから645の中判カメラで撮り続けてきた東京のスナップ2212点を、見開きごとに16点ずつ配置し、「映画」のような流れで構成した“写真小説”となっている。

荒木自身が、小津安二郎『東京物語』へのオマージュとして制作した一冊でもあり、街、路地、人々、看板、空、電車、女たちの姿、光景の断片が、猥雑さと抒情を行き来しながら連続して現れる。

ここで印象的なのは、自宅のある豪徳寺周辺の風景、ベランダからの空、突然挿入されるヌード、街角の断片などが、説明なく連続して並置されている点である。日常と欲望、都市と私生活が地続きのものとして立ち現れてくる感覚には、“私写真”という言葉を広く浸透させた荒木らしい視点が強く表れている。

東京という都市を舞台にしながらも、単なる都市スナップではなく、私小説的な視線と映画的編集感覚によって、記憶や時間、欲望や孤独が重層的に浮かび上がってくる。

荒木は「映画みたいに見せようと思った」と語っており、645カメラによる連続的な撮影感覚が、そのままシネマ的なページ構成へと結びついている。また「写真は時間の“事”である」とも述べており、本書では膨大なイメージの連なりによって、東京という都市の時間や記憶そのものを立ち上げようとしている。

一枚一枚を“決定的瞬間”として見せるというよりも、膨大な写真の流れそのものによって東京を立ち上げようとしている点も、本書の特徴となっている。

『東京物語』『冬へ』などに連なる、“私東京”としての荒木経惟を象徴する一冊。

[タイトル] 東京ノスタルジー
[出版元] 平凡社
[出版年月日] 1999年3月
[ページ数] 288頁
[大きさ] 約13519523mm / 410g
[フォーマット] ハードカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] トウキョウノスタルジー
[著者・編者等] 荒木経惟/著
[印刷] 凸版印刷/印刷
[ISBN] 9784582277401
[状態] 中古【6】並上~並(天わずかにシミ)
[付属品] なし
[掲載本] ‐
[関連展覧会] ‐

荒木経惟(あらき・のぶよし)1940-

東京都台東区三ノ輪生まれ。写真家。
千葉大学工学部写真印刷工学科卒業後、電通勤務を経て独立。1960年代より写真制作を開始し、1971年に自費出版した『センチメンタルな旅』で注目を集める。

私生活や都市、性愛、日常、死を主題に、膨大な数の作品を発表。東京という都市を舞台にしたスナップや私写真によって、日本写真史における独自の位置を築いた。

代表作に『センチメンタルな旅』『東京物語』『冬へ』『少女世界』『淫冬』『Tokyo Lucky Hole』など。写真集の刊行数は500冊以上に及び、国内外で高い評価を受けている。

主な受賞に第26回太陽賞、第50回毎日芸術賞、オーストリア政府栄誉科学芸術勲章など。

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森山大道、中平卓馬、小津安二郎、東松照明

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